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乳がん・乳癌の治療方法・抗がん剤



乳がん・乳癌は進行すると周囲のリンパ節に転移し、さらに血流にのって肺や肝臓、骨、脳などに転移します。転移の可能性が極めて低い局所にとどまった癌である場合には手術や放射線療法による治療だけを行います。
しかし、腋窩リンパ節に転移があった場合や、転移は無くとも再発の危険が高いと判断された場合でホルモン感受性のない乳がん患者さんには抗がん剤療法が行われます。ホルモン感受性のある患者さんの場合でも、再発の確率が高いと判断された場合にはホルモン療法に加えて化学療法(抗がん剤治療)が併用されることもあります。
また、肺や肝臓、骨など遠隔転移があり手術ができない場合にも抗がん剤治療が使われることがあります。
ただし、ホルモン療法と抗がん剤治療を同時に使用することは原則としてありません。
骨転移がある場合には、疼痛を抑えたり、骨折の頻度を減らすためにビスホスホネート製剤(ゾレドロン酸やパミドロネート)をホルモン剤や抗がん剤と併用することがあります。

CMF
C(シクロホスファミド=エンドキサン)とM(メソトレキセート)、F(フルオロウラシル=5FU)の3剤を組み合わせた治療法です。

CAF

C(シクロホスファミド)とA(アドリアシン)、F(フルオロウラシル=5FU)の3剤を組み合わせた治療法です。

AC
A(アドリアシン)とC(シクロホスファミド)の2剤を組み合わせた治療法です。

EC
E(エピルビシン)とC(シクロホスファミド)の2剤を組み合わせた治療法です。

FEC
F(フルオロウラシル=5FU)とE(エピルビシン)、C(シクロホスファミド)の3剤を組み合わせた治療法です。

タキサン系薬剤
ドセタキセル=タキソテール、パクリタキセル=タキソールなどを使った治療法です。

ハーセプチン

「HER2/neu」という特定の遺伝子が関与する乳がんに対して、トラスツズマブ=ハーセプチンという薬を用いて治療を行います。
HER2検査をすることで、ハーセプチンの効果が期待できる癌とそうでない癌がわかるため、切除した乳がん(乳癌)のHER2検査は不可欠な検査であるといえます。


副作用


骨髄毒性
抗がん剤治療により血液をつくる細胞がダメージを受け、白血球減少や赤血球減少、血小板減少などの副作用を高頻度で生じます。
乳がんに対する化学療法では、患者さんが抗がん剤の副作用により死亡することが稀にですがあります。治療関連死で最も多いのは白血球や好中球減少による重篤な肺炎や敗血症などの感染によるものですから、これらの血液検査の数値が低下した場合には注意が必要です。
白血球減少(好中球減少)が起きると乳炎などの感染症を起こしやすくなります。また発熱が続くこともあります。白血球や好中球の減少に対しては、G−CFS(顆粒球コロニー刺激因子)などを使用することがあります。
赤血球が減少することで貧血になったり、血小板減少により出血しやすくなったり、あざができやすくなったり、注射の跡が消えにくくなるなどの副作用が現れることがあります。
これらの副作用を骨髄毒性といいます。骨髄毒性は目に見える副作用ではないため一般の方は軽視しがちですが、実は命にかかわることが少なくない副作用ですから抗がん剤の投与中は注意深く骨髄毒性が許容範囲内であるかをチェックする必要があります。

吐き気・嘔吐・下痢
抗がん剤が投与されると多くの方で吐き気や嘔吐をおこします。下痢をする方もいらっしゃいます。
使用する抗がん剤の種類により吐き気や嘔吐が起きやすい抗がん剤もあれば、あまり激しい副作用を伴わないものもあります。場合によっては極度の脱水症状により衰弱してしまう可能性もあります。

脱毛
脱毛を起こしやすい抗がん剤(アドリアマイシンやパクリタキセル、ドセタキセルなど)が使われることが少なくありません。脱毛は治療直後ではなく治療開始から2、3週間経過して始まることが多いようです。

その他の副作用
動悸や息切れ、体のむくみ、筋肉や関節の痛みなどが現れることがあります。
手足症候群といって手のひらや足の裏に刺すような痛みがあったり、手足の感覚がまひしたり、皮膚の乾燥やかゆみ、変色などの症状が現れることがあります。
口内炎や倦怠感(だるさ)、皮膚や爪の変色、味覚障害、肝機能障害なども副作用で現れます。